U字溝で蛙が足をピーンと伸した状態で

雨上がりの日の点検であった

キュービクルの脇が敷地の境界線で、そこにU字溝が埋めてある。普段このU字溝に沿って進みキュービクルの点検をしている。その時は雨上がりでこのU字溝に水が溜まっていた。ところがこの水たまりで異様な風景を見ることになった。多くのカエルが足をピーンと伸ばした状態で浮いているのである。変だとは思ったがその場では詮索のしようがなかった。

キュービクルの点検に入ってビックリ。動力回路の漏電が普段は30mAそこそこのものが100mAスケールでオーバースケール、順次レンジを上げていってもオーバースケール。そして最後になんと150アンペアと出た。そのままでは信用するわけにはいかないので、別のクランプメーターで測定してみたが、違いはせいぜい誤差程度であった。計測できた漏電ではこの電流は最大である。

そこで分岐回路を特定し、その先を探していった。所が負荷側では漏電していない。電線の途中である。両側から順次クランプしながら攻めていくと壁面のCチャンネルの中。電線を引上げながら順次クランプしていくと、電線の動かない部分がある。これの電源側で零相分が150Aあり負荷側では出ていない。動かないところに何かがある訳である。従業員に聞くと壁板が痛んだので張替えたとの事である。すると電線に釘が刺さっている事になる。そこで覚悟を決めて電線を一気に引張った。鈍い音と少々のアークを出して外れた。これで漏電は解消した。ちなみにこの回路の電源側ブレーカーは定格 250A である。

ところがこの大電流での漏電にも拘わらずキュービクルを含む何れの箇所でも感電することはなく、機器の誤動作、その他のトラブルは全くなかったようである。  

この大電流の漏電で現れた症状は蛙の死だけだったとは。

ここまでくれば、カエルの状況は説明がつく。漏電による所謂 歩幅電圧 のための感電死である。

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