絶縁抵抗は一定ではない。
オームの法則では、抵抗が一定であれば電流は電圧によって一義的に定る。
これは抵抗値が一定であれば、無条件当てはまることである。
問題はこの抵抗値である。
例えば低圧電動機を例にとればこれらの絶縁抵抗値は500Vの絶縁抵抗計で測定して何メグオームであると表現する。そしてこの絶縁抵抗値は、機器が新しく健在なものであれば、絶縁抵抗計が500ボルトのものであっても、また、200ボルト、100ボルトのものであれ、もっと極端に50ボルトの電圧のものであっても測定誤差程度の誤差はあっても大きな違いは出てこない。
ところが絶縁の劣化が始まると測定値が電圧の変化により誤差の範囲を超えて大きく違ってくるようになる。最も極端な場合には低い電圧ではそこそこの抵抗値を示しているものが、ある電圧を越えると実質的に短絡状態になってしまう。そしてある電圧を境にして絶縁抵抗がゼロになってしまうのである。
これは高電圧の現象としてはよく知られている。
しかし、低圧の機器、回路においても存在する。例えば測定電圧が100ボルトでは1メグオーム近くを示していたもの250ボルトになると絶縁抵抗がほぼゼロになった実例がある。200V回路で現実に漏電していながら、100Vのメガーでは不良を確定できない。
このような例は多くはないか現実には存在しており絶縁チェックする場合に非常にまぎらわしくなる。
漏電計で不良機器を発見し、その不良箇所を確定する場合、絶縁抵抗計でチェックするより回路テスターの抵抗レンジでチェックするのが安全であり、またそれで10分であり現実的である(99%以上の確率で)。また、電子部品などへの影響を最小限にするために機器に加える電圧が低い電圧でチェックするのが望ましい。しかし、前記のような例外的な場合もあるので単純な判断は禁物である。論理的につじつまが合わなかったらそれを追求する必要がある。
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