漏電警報器と漏電遮断器の使い分け

漏電による実害は少なくはないのですが、これがすぐに見えるような形で現れることは、実は非常に少ないのです。しかし感電による人身事故だけは絶対に防ぐ必要があります。そこで漏電遮断器が是非必要な場所があります。

まず、漏電遮断器が必要な場合です。

どうしても必要なのが法律上義務づけられている場所です。(厳密には技術基準、労働安全衛生規則を参照) 

代表的なものは

    1,400ボルト回路。

    2,水気のある場所

    3,乾燥しているとは言えない場所で200ボルトの回路

これらは使用電圧が高く、万が一の場合の危険性が高い、そして感電しやすい環境、と言えます。

しかし、法令上強制されていませんが、乾燥した場所であっても可搬型、移動しながら使用する機器、手持ちの電動工具を使用する回路にも是非漏電遮断器が欲しいところです。

逆に、漏電遮断器を入れてはならない代表的なもの。これは漏電による障害よりも停電による障害の方が大きいと考えられるものです。

  1. 消火栓関係
  2. 火災報知器、漏電警報器                                
  3. 放送設備、電話設備
  4. 照明関係、特に誘導灯や非常照明
  5. パソコン。コンピューターを使ったデーターセンター
  6. 電気炉のように停電に伴う障害、事故が予測されるもの

これらのものは漏電しても感電の危険性はほぼ無いために即時遮断の必要性はなく、漏電警報器を設置して、漏電状態を早めに検知し、処置、対策をすべきです。

漏電遮断器の効用は、万が一感電した場合に速やかに感電している状態から解き放ち、感電による障害を最小限に食い止めるためのものです。

漏電遮断器は取り付けてあっても感電そのものを防止できる訳ではない。瞬間的な感電により慌てた事による二次災害は防げない、と言う事実は認識しておく必要がある。

一方漏電で最も怖がっている火災は、ガソリンの傍で火花を飛ばせた様な場合は別にして、発火までには長時間必要であり、秒、分を争うようなものではありません。即刻遮断する必要性はないのです。そこで火災予防を対象にするのであれば漏電火災警報器が適しています。警報が出てから(漏電の電流値には関係なく)原因を究明し、障害、故障箇所を除去すれば十分間に合います。

更に声を大きくして主張したいのは、

殆ど表には出ませんが

漏電によって実は多くの障害

を起こしているのです。

これは早めに手当すれば障害を最小限で抑えられます。更に漏電は機械の大きな故障の前兆現象である場合が少なくありません。この場合には故障の前に手を打つことによって不意打ちの機械の停止を防ぐことができます。

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