漏電原因の具体例

現実に漏電の原因箇所を追求した結果、判明した事例で代表的なものである。

ほぼ全ての漏電の原因はこれらの類型になる。

いずれも最終的な結果は間違いなく絶縁は不良(良否で云えば不良だが、実態は不良ではなく破壊である)である。これらは絶縁管理(絶縁測定の繰返し)を強化することで予防が可能であろうか。

電線に釘を打込んだ。(外壁を止めるための釘)

Cチャンに転がしてあった電線をシャコマンで挟んでしまった。

成形機で金型をセットする際に電線を挟んだままセットした。

電線がフォークリフトなどにつぶされて芯線が露出。

埋設電線が埋設部分で外傷を受けた。(埋設方法が不適切)

地盤沈下で電線が引っ張られ裸になり、これが鉄骨に接触。

電線を間違って引っ張り鉄骨に引っかかって絶縁被覆を剥がした

天井から吊した電灯線が鉄骨に接触しており、灯具の揺れで電線の被覆破損。

電線被覆がプーリーに触りすり減って芯線が直接接触。

電線が機械の往復動する部分に接触しており、被覆がすり減り芯線が接触して漏電。

機械内部のケースの上を転がし配線してあったが機械の振動によりケースの角で電線の被覆を削ってしまった

コードを自動ドアで傷つけていた。

電線を機械の隙間に挟んでしまい、機械の振動で被覆を傷つけ、間欠的に漏電。

蛍光灯の反射笠と本体の間に電線を挟んだ状態で固定したため電線が潰された。

機械内部の宙ぶらりんの電線に歯車が当り、絶縁を損傷させた

電線が鉄骨に挟まれて芯線が鉄骨に接触。

電線を細い針金で吊してあったが、熱でビニールが軟化し針金が芯線に接触した。

レイアウト変更で不使用になった電線で先端が未処理だったため、間違えて元のスイッチを投入して漏電になった。(本来は撤去しなければならないもの)

接続部分のテーピングが不十分でここから水が侵入。水が通路になり漏電

電線接続部のくせ取り不十分のためテープが圧縮されついに芯線がケースに接触。

接続部のテーピング不良でテープが外れ、トタン板、ケース、機械本体などに接触。

コードをプラグに接続する際、圧着端子を使わなかったために芯線がばらけて隣のアース端子に接触。

固定不良の部品で外れ、端子がケースに接触。

金属製のコネクターで芯線のひげ(接続不良や断線による)がボデーに接触。

壁の貫通部分で電線の被覆が外力などで脱落、実質裸になりケースに接触。

傷がついていた電線に水がかかった。

接続用のコネクターに水がかかった。

ホールソーの切りかすがブレーカーの端子に接触。

フロアーコンセントに床磨きのワックスが蓄積し、ワックスを通して漏電。

充電部分に切粉がかかり、この切粉を通して地絡。

モーターに切粉が入ってコイルを損傷、その結果漏電。

筒型ヒューズのスペアがないので糸ヒューズを使ったが、スペースが狭く糸ヒューズの先端が閉じた扉の内側に接触して漏電していた。

接続不良で外れた電線が大地に触れ地絡

100V用の部品を200V回路で使用しており、結果的に焼損そして漏電。

ランプ付タンブラースイッチのネオン管の一線をアース端子に繋いであった。

接続間違いの例ではプラグのS相と接地端子の接続間違い。

複数並んでいる制御リレーの共通端子がどういう訳かアースに接続してあった。

機械の電源端子にホコリが積りこれに機械油がかかり、これが吸湿し結果的に漏電

天井裏に転がした電線、その接続部を転がした電線と並ぶように丁寧に倒してあった。ここに結露した水が溜り漏電。

部品の不良、寿命

天井直付けの蛍光灯で雨漏りにより水が入り安定器が水没

工事、作業のミス、手抜き、あからさまな不良工事

 貫通部分で電線の被覆が外力などで脱落、実質裸になりケースに接触。

ここには絶縁が劣化した結果としての漏電は出てこない。設備の管理歴50年になるが、これが漏電が発生している現場の実態である。

何れも絶縁の不良と云う概念からはほど遠く、直接接続、直接アースと云った方が適切であろう。

この実態を絶縁の不良として考える、扱おうとするところに無理がある。     

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