漏電とはいったい 何者なのか 厳密に考えたことがあるのだろうか。
まず最初に認識しておかなければならない事は、交流回路においては漏電は理論的に ”ゼロにはできない ”と言うことである。いかなる場合でも何がしかの漏電は発生しているのである。このことは非常に重要なのであるが意外と意識していない。
次に、漏電と言う現象に対してどれだけの正確な知識を持ち合わせているのであろうか。
感電する、火災が発生するといった程度では中学生レベルと言わざるを得ない。
又、漏電は絶縁不良の結果生ずるものであると考えているようでは、実務経験はないと決めつけられても仕方がない。
このレベルの話は電気管理を生業としている技術者の言う事では無い。
それ以上に漏電をしっかり管理しなければならない立場に立つ電気管理技術者として、火災や感電などは言ってはならないと断言できる。もしこれでお客を脅したら原因箇所の調査の段階になって協力を得ることができなくなる。
もし漏電が火災に直結するのであれば絶対に放置してはならないはず。
また、感電するのであれば、人命にかかわる事であり、猶予は許されず、直ぐその場で処置が必要なはずである。
現実に何処まで対応している? 様子見を続けているのと違う? それでは重大な危険を放置していることになるが技術者としての責任は感じないの?
漏電は単純に絶縁不良の結果生ずると考えているのではなかろうか
そもそも
- 絶縁されている ものが
- 絶縁物が不良 になり、その結果
- 漏電が発生 した
と、考えるのが一般論であろう。
しかし、漏電が発生したらその原因箇所の追及、原因除去が絶対必要条件であるが、この発想からスタートしたら、具体的に何から始める? 先ずメガーを持ち出す? 不良が確定しているのにメガで何を測る? 何がわかる?
絶縁の状態はメガーの測定値で判断するのが常識である。
しかし、漏電の原因探査に限って云えばメガーでの探査は無謀と云わざるを得ない。
手間と時間と費用をいとわないというのであれば大半は見つかるであろう。
しかし、それはあまりにも無謀で現実的ではない。
又、メガーでは絶対に見つからない事例も少なからずある。(後ろで嘘をつくなの言葉が聞こえてくる。しかしそれは頭の中だけで考える現実を知らない人の妄言と断言する。)
逆に言えば漏電をメガーで追求できる例は極めて限られている。
極論すればメガーでは漏電の原因箇所は追求はできないと考えるべきである。
最終ポイントの確認はメガーなりテスターのΩレンジが必要な場合もあるが(漏電の値が数10mA程度の場合、それも大部分は回路テスターのオームレンジで間に合う。最終確認にメガーが必要だったのは記憶している限りただの1回だけ)目視で一目瞭然確認できる場合がほぼ全てと言える。
(余談だが、目で見てわかるようなものの場合には、メガーで探していっても、その箇所を確定することは難しい。範囲を絞り込むことができない)
極論であるが、漏電に対しては、漏電計で対処するしかないのである。肝に銘じてほしい。
頭の中で絶縁不良の概念が残っている人に理解しろと言っても難しいかもしれない。では 前記の ”漏電の本質に係わると思われる質問” にどこまで正確に答えられるだろうか
また、その後の 「どう解釈するか」 について、他人を納得させられるだけの説明ができるであろうか。
これらの質問や、解釈にまともに対応できないのであれば、漏電について語る資格はない。ズバリ、ファッションとしての漏電計は持っていても、その先を追求していないと言える。
実測をしたことのない人が横柄な口を利くべきではない。
漏電の現実的な実態を知って欲しいと思う。
いつの間にか漏電がなくなっていた(現実には膨大な数になる)では、それは管理していることにはならない。
(なぜ、漏電がなくなったのか、そこは考えないのか。漏電の原因が自然解消することなどありえない)
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