漏電の結末

全く知られていない事実  本音を言えば知られたくない事実

漏電は確認できたが、原因が究明できなくて、あれこれ手を打っているうちに漏電が出なくなった事例は、管理に関係していれば、全ての人が経験しているはずである。

この場合、漏電がなぜ出なくなったのか考える必要がある筈。

”漏電がなくなって良かった”

では管理する立場のものとしては余りにも無責任ではなかろうか?

これまでの経験で漏電の原因の99%以上は負荷設備、負荷機器、コンセントの先である。(負荷の稼働中に発生する漏電、当然連続ではない。言うなれば99%以上が間欠漏電)

設備や機械の中で漏電が生じたらどうなるかを考えてみてほしい

長い経験から、漏電が原因で火災が発生することはまずないし、漏電が原因の感電も極めて少ない。(漏電とは無縁の電気エネルギーによる火災は無視するわけにはいかない件数発生している。詳細を知らない人はこれらを全て漏電の所為にしている。)

漏電が発生することによる現象で記したように、最終的にはトラブルの形で現れる。しかし、不思議なことに初期段階においては症状としては目に見えない場合が殆ど全てと言える。ある段階で症状が出るが、この症状が使用する上に、あるいは生産工程に影響なければそのままで済むが、影響があるようになれば、その機械を修理するしかない。

ただ、表だった障害はなかったとしても漏電による電力損失、経済的損失は免れない。

生産なり作業なりに支障が出た時点で、修理するが、修理の目的は設備が正常に動くように戻すことである。その修理作業が(漏電のことは意識していなかったにもかかわらず)結果的に漏電の解消にもつながっているのである。漏電の原因がなくなるのであるから修理時点以後漏電は出なくなる

管理技術者が知らない間に、設置者が、漏電していたことは知る術もなく、漏電していた機械の修理をし、漏電の原因を解消していたのである

結果的に漏電が出なくなったのであるが、電気管理技術者は、その実態(なぜ漏電が出なくなったのかその根拠)をつかんでいないということになる

(管理を委託されているものにとって)幸いなことに設置者はそのトラブルが漏電が原因、或は関係があるとは考えていない。従って管理技術者の責任を追及されることは絶対と言っていい程ない。

厳密に解釈すると電気管理技術者の ”責任放棄” ということになりそうだが、言い過ぎであろうか。

残念ながらこの状態が漏電管理の実態なのである。

少なくともその機械で漏電している事実は伝えておくべきであると考えるが。 (漏電の事実がわかれば修理の手間は大幅に軽減される。また、修理ミスも防げる。この事実は経験的に断言できる)

尤もその機械で漏電していることを確定するまでに生半可な手間では無く、誰でも直ぐにとはいかないのが現実であるが。

個別の機械の修理の内容にまで口や手を出すかどうかは、管理という立場からは話が微妙になるし、現実的には否定論がほぼ全てであろう。しかし、修理に立会い、漏電の状況についてアドバイスすれば修理時間は大幅に短縮される。漏電が絡んでいる場合には、シーケンス的に不具合の原因箇所を探すのと、漏電のアドバイスを得て原因箇所を探すのとでは手間は雲泥の差になる。更に云えば修理ミスも防げる。

電線路での漏電はこうはいかない。電線の充電部に水がかかっての漏電で、水がなくなって漏電が解消したような場合以外は余程の例外を除き漏電は解消しない。
電線路の場合は徹底して調査し、原因箇所を突止め、補修なり、配線のやり直しなりをしなければならない。この原因箇所の探査、追求までは管理技術者の責任であろう。不良箇所の修理や工事は話が別になる。

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