対地絶縁抵抗の値が1MΩの所に100Vの電圧を加えればオームの法則に従って0.1mAの電流が流れる事になる。この電流は対地に流れるという点ではれっきとした漏電である。この程度の電流では漏電として取り扱うには値しないし、現実には無視されている。しかし、漏電の理論として、全体の展望としてみた場合には無視する事はできない。頭に入れておく必要がある。
通常絶縁不良の基準として100V回路で0.1MΩ、200V回路で0.2MΩが採用されている。
この場合の漏電は1mAである。この基準に従えば1mA以上の漏電があったらその回路は不良と判断しなければならない。言うなれば管理面から見た漏電の最低値と言うことができるかも知れない。
電灯回路であるが1mAの増加で明確な不良箇所を突止めた実例もある。
一方大きい方はどうであろうか。実測したものでは200Vの動力回路で150Aを計測している。
計測はしていないが現象として残ったものでは2mmのIV線を焼き切った事例を見ている。ビニールの焼け具合から見ると(ビニールの大部分は溶けて落下しているが、焦げた中に少しだが色の付いた状態のビニールが芯線に残っていた)短い時間で溶断しているようなので、300Aを超え或いは500Aを超えていたのかも知れない。経験的にはここらが上限かと思われる。
この様に下は1mA以下から数10mA、数A、そして100Aを超えるまでの実に6桁の広範囲に渡っているが、漏電の管理としてみた場合この範囲を全て考えておく必要がある。
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