漏電による実害
① 無駄な電力消費 ただし、目に見えるのは例外と言える
② 火災の危険性 現実的には最も恐れられている
③ 感電の危険性 人体への被害は絶対に避けなければならない。
④ 意外なところで火花が発生。 驚かされる。
⑤ 誤動作、本来の動きをしない 漏電とは気がつかないことが多い。
⑥ センサーの誤動作、破損 漏電に気付かないことが多い
⑦ 製品の不均一。製品不良。 一寸考えにくいが
⑧ 準備時間の長時間化 不便を強いられる
⑨ 地下埋設物の腐食 外からは見えない
⑩ 電線の電食による断線 動かなくなって初めて判る
⑪ アースが浮く トラブルが出るまで判らない
⑫ その他 原因究明に振回される。
漏電によって現れる現象
誰でもすぐに漏電と分る現象として
① 機械に触るとビリビリくる。(接地が効いていることが条件。非接地は論外)
② ピリピリくる機械の電源スイッチを切ってもなおかつ、ビリビリくる。
③ 1台の機械だけを触っても何でもないが、2台同時に触るとピリピリ来る
電気の知識を持った人が意識すれば気がつく現象としては
④ キュービクルに触れるとピリピリ来る。
⑤ 電気とまったく関係のないところ、たとえば風呂場、洗面所でピリピリ来る。
⑥ 本来あり得ない所で火花が発生する。例えばクレーンのフックが機械と接触して。
⑦ 対地電圧の関係が崩れる。接地側の線で検電器が点灯する。
⑧ 地中で発熱、温泉が湧いた状態になったり、蛇口からお湯が出る。
⑨ 線電流のアンバランス、3相の場合1相だけ多い。単相3線式でR相T相の差とS相の値のずれが大きい。
おかしいと思っても漏電とは気がつきにくい現象(故障と考える場合が多い)
⑩停止ボタンを押しても機械が止まらない。
⑪スイッチを切っても照明が切れない。
⑫始動ボタンを押しても始動できない。
⑬機械が正常な動作をしない(状況が定らない)
⑭ブレーカー、電線の異常な過熱
⑮ヒューズが切れる
⑯末端での電圧降下が異常に大きい。
⑰機器の誤動作 (シーケンス的なものの場合とノイズによる場合がある)
⑱センサーの誤動作、計測値が狂う、あり得ない信号が出る、或は故障、破損
⑲低圧側の漏電で高圧フィーダーのGRトリップ
⑳製品不良
最後まで気がつかない現象。(測定しないと判らない、被害が出てから気がつく)
㉑地下埋設物(水道管、ガス管等)の腐食
㉒接地電極が腐食し、接地抵抗増大。ひどい場合には浮く。
㉓その他 最後まで現象としては出ないものが大多数
特異なもの
㉔ケーブルのシースアース線が溶断していた(シースアースを2点接地してあり、ここに漏電が流れ込んだ。絶対値は数100Aだったはず)
㉕水道の蛇口からお湯が出た話を聞いている。アース電極のそばで蒸気が噴き出しているのは見た
漏電による障害が全く意識されていない(誤動作その他の障害が出ているが、これを漏電による障害と考えていない。又見ていない。サービスマンも修理はしたが漏電の事実は知らないまま、そして漏電のことは考えてもみない)
結果的に漏電が障害の根本的な原因、表現を変えるとトラブルの前兆現象であることは表に出ていない、
現実には漏電した場合には高い比率で障害が出ているはず。これをきちんと管理すればトラブルの早期発見、ひいてはトラブルの減少、修理費の節約に役立つ。
しかし不思議なことに漏電が出ていても、初期の段階においては、電気を使用している現場の担当者が障害やトラブルとしての目に見える形のものは出ない事例が大多数と言えそう。
使用量の非常に少ない工場で使用量が増加していた。点検を続けると動力回路で30アンペアオーダーの漏電である。関係者に状況を聞いたが、トラブルや支障になる事は何も発生していないとのことである。原因を調べていったらある機械の不良で、それを修理したら、漏電は出なくなった。この場合、使用量の絶対量が少なかったので、電気料金に目に見える形で現れた事例である。しかし感電や目に見える形でのトラブルは何等発生していない。
150Aの漏電を計測した事例でも、目に見える形の障害は全くなかった。原因箇所での発熱の形跡もなければ何れの場所での感電の形跡もない。
150Aの漏電と云えば全ての人がビックリするが、現実には計測するまで誰も気付いていないのである。200v回路なので電力にすると30KW。これが全て地中で消費されていたのである。B種接地電極の周辺は温泉が湧いた状態になっていたかも。
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